ELECTROCUTICA

真夏の空席

眩しさに 引き寄せられて
ふりかえる 遠い夏のコール
「成績なんて忘れて今日は抜け出そうか。
内緒に…そう、ふたりで」

憂鬱の鍵解くような 君のたくらみと高鳴り
教室を抜け出し 逃飛行ね 警笛横切る
この街の特等席 次のチャンスは何時? 急ごう
海へ抜ける快速の感情―― 走った

喝采の雲に広がる夢
青空を背に 君の瞳に憧れる藍を見た
辿り着いたら確かめたいけど
このまま 揺れ重ねる想いを みつけないで

今はまだ…

詰め込んだミルキーウェイ
燥ぎまわった今日の星が続く明日を いつまでも疑わなかった

暮れていく 窓から遠く
移る街 時の観覧車
さよならも言えなかったこと
過ぎた針を戻せたら 放せる

僕らの未来航路 定める試験は無情にも
なぜ君を映す心 置き去りにしたのだろう
季節を恋える 今も ひとつだけ空いていて
言ったじゃない
「次の夏にも…」
ずるいよ

潮騒の風が悩める髪 絡める度に
忘れてきた思いが連れて行く  
帰路に渡された手の感覚 ポケットの底にまだ残ってる

今もまだ

幼い胸に秘めた 宿題のリボン
君に ほどいて欲しかった

駆けぬけた夏の日から

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テーマの著者 Anders Norén